結論から :
- TOEIC S&W 公開テストの2025年度平均は、 Speaking 131.5点(12,207人)・Writing 141.0点(8,770人) (いずれも200点満点/IIBC公式)
- Writingの方が9.5点高い 。同じIIBCのデータでL&Rを見ると Listening 337点 > Reading 279点なので、 受け取る技能では「聞く」が、出す技能では「書く」が上回る という形になっている
- 最頻値は Speaking 140点(17.0%)・Writing 150点(19.5%)
- 社会人(S133.7/W146.2)と学生(S128.2/W134.5)では、 Writingの差11.7点がSpeakingの差5.5点の倍以上
- 受験者数はL&Rの1.6%しかない (S&W Speaking 12,207人/L&R 755,473人)
- ただし公開テストとIPテストを合算すると、 2024年度→2025年度の伸び率はS&Wが+31.5%、L&Rが+2.0% 。増えているのは 企業・学校が実施するIPテスト(+43.4%) で、個人が申し込む公開テストは+5.3%にとどまる
この記事では、IIBCが公表している2025年度の実受験者データをもとに、TOEIC S&Wの実際の水準を整理します。数値はすべて公式資料からの転記または算出で、推定値は含みません。
この記事の信頼性
- データ:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」(2025年度=2025年4月〜2026年3月の実受験者データ)
- スコア分布は6セットすべてについて、分布から平均を再計算し公表平均と小数第1位まで一致することを確認済み(人数合計も公表受験者数と完全一致)
- 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部
TOEIC S&Wとは、話す力と書く力を測るテスト
一般に「TOEIC」と呼ばれるのは聞く・読む力を測る TOEIC L&R(Listening & Reading) です。 TOEIC S&W(Speaking & Writing)は別のテスト で、パソコンを使って話す・書く力を測ります。
| TOEIC L&R | TOEIC S&W | |
|---|---|---|
| 測るもの | 聞く・読む | 話す・書く |
| 形式 | マークシート | パソコン |
| 時間・問題数 | 約2時間・200問 | 約1時間20分・19問 |
| スコア | L 5〜495点/R 5〜495点/合計10〜990点(5点刻み) | Speaking 0〜200点/Writing 0〜200点(10点刻み) |
| 2025年度の公開テスト受験者 | 755,473 人 | Speaking 12,207 人/Writing 8,770 人 |
受験者数はL&Rの1.6% です。TOEICを受けている人のほとんどはL&Rだけを受けており、S&Wはまだ少数派のテストです。
なお SpeakingとWritingで受験者数が3,437人違う のは、S&Wが スピーキングのみの受験もできる 制度になっているためです(公式資料に記載)。以下の平均も、SpeakingとWritingで母集団が完全に同一ではない点に注意してください。
2025年度の平均はSpeaking 131.5点・Writing 141.0点
| 年度 | Speaking 受験者 | Speaking 平均 | Writing 受験者 | Writing 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 11,348 人 | 129.6 点 | 8,633 人 | 143.3 点 |
| 2024年度 | 11,595 人 | 131.0 点 | 8,712 人 | 142.6 点 |
| 2025年度 | 12,207 人 | 131.5 点 | 8,770 人 | 141.0 点 |
3年間で Speakingは1.9点上がり、Writingは2.3点下がりました 。その結果、両者の差は13.7点から9.5点へ縮まっています。受験者数はSpeakingが859人増、Writingが137人増で、Speakingの伸びの方が大きくなっています。
L&Rとは逆で、S&Wでは「書く」が「話す」を上回る
ここがこのデータで最も面白い点です。同じIIBCの2025年度データで、4技能を並べてみます。
| 技能 | テスト | 平均スコア | 満点 | 満点に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 聞く(Listening) | L&R | 337 点 | 495 点 | 68.1% |
| 読む(Reading) | L&R | 279 点 | 495 点 | 56.4% |
| 話す(Speaking) | S&W | 131.5 点 | 200 点 | 65.8% |
| 書く(Writing) | S&W | 141.0 点 | 200 点 | 70.5% |
受け取る側(聞く・読む)では「聞く」が11.7ポイント上回り、出す側(話す・書く)では「書く」が4.7ポイント上回っています。
つまり「日本人はリスニングが苦手」という通説とは逆に、L&Rの中では Listeningの方が得点しやすい のが実態です。一方、話す力については、満点に対する割合65.8%と4技能で2番目に低くなっています。
ただし この4つを直接比べるのは慎重であるべきです 。L&RとS&Wは別のテストで、受験者も755,473人と12,207人でまったく規模が違います。S&Wを受ける人は、そもそも4技能を意識して学習している層に偏っているはずです。 同じ人の4技能を比べた数字ではありません。
スコア分布、Speakingは140点・Writingは150点に山がある
受験者がどのスコアに分布しているかを、それぞれの受験者数に対する割合で重ねました。
| スコア | Speaking 人数 | 割合 | Writing 人数 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 200 | 49 | 0.4% | 128 | 1.5% |
| 190 | 40 | 0.3% | 344 | 3.9% |
| 180 | 282 | 2.3% | 527 | 6.0% |
| 170 | 463 | 3.8% | 565 | 6.4% |
| 160 | 1,132 | 9.3% | 1,408 | 16.1% |
| 150 | 1,775 | 14.5% | 1,708 | 19.5% |
| 140 | 2,074 | 17.0% | 1,092 | 12.5% |
| 130 | 1,902 | 15.6% | 847 | 9.7% |
| 120 | 1,496 | 12.3% | 538 | 6.1% |
| 110 | 1,545 | 12.7% | 523 | 6.0% |
| 100 | 627 | 5.1% | 383 | 4.4% |
| 90 | 336 | 2.8% | 219 | 2.5% |
| 80 | 167 | 1.4% | 189 | 2.2% |
| 70 | 140 | 1.1% | 82 | 0.9% |
| 60 | 47 | 0.4% | 69 | 0.8% |
| 50 | 46 | 0.4% | 52 | 0.6% |
| 40 | 35 | 0.3% | 40 | 0.5% |
| 30 | 20 | 0.2% | 17 | 0.2% |
| 20 | 7 | 0.1% | 10 | 0.1% |
| 10 | 4 | 0.03% | 19 | 0.2% |
| 0 | 20 | 0.2% | 10 | 0.1% |
Speakingは110〜150点の5区分に72.0%が集中 しています。分布の山が狭く、上に抜けにくい形です。180点以上は3.0%、200点満点はわずか49人(0.4%)でした。
Writingは150〜160点に山があり、上位側が厚い のが特徴です。180点以上が11.4%とSpeakingの約4倍、200点満点も128人(1.5%)います。
話す力は上に抜けにくく、書く力は高得点が出やすい という違いが、分布の形としてはっきり出ています。
社会人と学生の差は、Writingの方が大きい
| 区分 | Speaking 受験者 | Speaking 平均 | Writing 受験者 | Writing 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 12,207 人 | 131.5 点 | 8,770 人 | 141.0 点 |
| 社会人 | 7,283 人 | 133.7 点 | 4,856 人 | 146.2 点 |
| 学生 | 4,924 人 | 128.2 点 | 3,914 人 | 134.5 点 |
Speakingの差は5.5点にとどまるのに対し、Writingの差は11.7点と倍以上 あります。
L&Rでは社会人649点・学生592点で57点差(990点満点)でしたから、S&Wの社会人と学生の差は、L&Rほど大きくありません。特にSpeakingは5.5点差で、200点満点に対して2.8%分にすぎません。 話す力に関しては、社会人と学生でほとんど差がついていない と読めます。
なおS&Wの受験者は社会人7,283人に対し学生4,924人で、L&R(社会人308,493人・学生434,399人)とは逆に 社会人の方が多い 構成です。
S&Wは主流になるのか、受験者数の伸びで見る
TOEIC S&Wには、ここまで見てきた公開テストのほかに、企業や学校が実施する IPテスト があります。両方を合わせると、S&Wの実態が見えてきます。
| 年度 | S&W 受験者(Speaking) | L&R 受験者 | L&Rに対するS&Wの割合 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 34,698 人 | 1,763,215 人 | 1.97% |
| 2024年度 | 37,204 人 | 1,776,920 人 | 2.09% |
| 2025年度 | 48,934 人 | 1,811,979 人 | 2.70% |
※いずれも公開テストとIPテストの合算。編集部が算出。
規模ではまだ L&Rの2.7% にすぎません。しかし 伸び方がまったく違います 。
- 2024年度→2025年度の伸び率は、S&Wが +31.5% 、L&Rが +2.0%
- 2023年度→2025年度の2年間では、S&Wが +41.0% 、L&Rが +2.8%
そして、この伸びがどこから来ているかがはっきりしています。
| 受け方 | 2024年度 | 2025年度 | 伸び率 |
|---|---|---|---|
| 公開テスト(自分で申し込む) | 11,595 人 | 12,207 人 | +5.3% |
| IPテスト(企業・学校が実施) | 25,609 人 | 36,727 人 | +43.4% |
伸びているのはIPテストの方です。 個人が自分の意思で申し込むS&Wは5.3%増にとどまる一方、企業や学校が受けさせる分が1年で43.4%増えました。
つまり現時点のS&Wは、 「個人が自主的に受けるテスト」ではなく「組織が導入し始めたテスト」として増えている 段階だと読めます。
S&W IPテストの内訳(2025年度)
| 区分 | Speaking 受験者 | Speaking 平均 | Writing 受験者 | Writing 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 36,727 人 | 110.1 点 | 15,808 人 | 119.9 点 |
| 企業・団体 | 26,435 人 | 111.1 点 | 6,755 人 | 127.8 点 |
| 学校 | 10,292 人 | 107.5 点 | 9,053 人 | 114.0 点 |
IPテストの平均は公開テストより低く、Speakingで21.4点、Writingで21.1点の差があります。L&Rと同じく、 自費で申し込む層の方がスコアが高い という構図です。
なお、学校ではSpeaking 10,292人に対しWriting 9,053人とほぼ同数が受けているのに対し、 企業・団体ではSpeaking 26,435人に対しWriting 6,755人と、4分の1しか受けていません 。企業はスピーキングだけを測る使い方をしている割合が高い、ということになります。
注意 :ここで見ているのは3年分の推移です。 この伸び率がこの先も続く保証はありません 。2.7%という現在の規模と、31.5%という伸び率の両方を見て判断してください。
よくある質問
Q. TOEIC S&Wの平均は何点ですか。
2025年度の公開テストで、Speaking 131.5点・Writing 141.0点です(いずれも200点満点)。
Q. S&Wで何点取れば高いと言えますか。
分布で見ると、Speakingは180点以上が3.0%、Writingは180点以上が11.4%です。160点以上ならSpeakingで上位16.1%、Writingで上位33.9%に入ります。
Q. なぜWritingの方がSpeakingより平均が高いのですか。
公式データからは理由は分かりません。事実として9.5点の差があり、分布を見るとWritingは高得点側が厚く、Speakingは110〜150点に集中しています。なおSpeakingのみの受験もできるため、両者の受験者は完全に同じ集団ではありません。
Q. L&RとS&Wはどちらを受けるべきですか。
用途によります。データから言えるのは、受験者数がL&R 755,473人に対しS&W Speaking 12,207人で、 提出先として一般的なのは圧倒的にL&R だということです。
Q. S&Wは難しいですか。
難易度を公式に比較した数字はありません。分布から言えるのは、Speakingで満点200点を取った人が12,207人中49人(0.4%)と少ないことです。
出典・データについて
本記事の数値はすべて、IIBCが公表する下記の公式資料に基づいています。スコア分布はPDFのグラフから抽出したものですが、 6セットのうち1セットだけ数値の並び順が他と逆になっていた ため、各分布から平均を再計算して公表平均と照合し、並び順を確定させたうえで掲載しています(6セットすべて公表平均と小数第1位まで一致、人数合計も公表受験者数と完全一致)。累計割合と満点に対する割合は編集部が算出しました。
出典
- 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026 — 2025年度 受験者数と平均スコア」(https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf )
- IIBC「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」(https://www.iibc-global.org/toeic/official_data.html )

