結論から :
- TOEIC L&Rの2025年度平均は、 公開テスト616点・IPテスト492点で124点の差 (IIBC公式)
- 受験者数はIPテストの方が多い 。公開テスト755,473人に対しIPテスト1,056,506人で、 実受験者の58.3%はIPテスト
- ただし IIBCは「公開テストとIPテストの結果(スコア)の意味は同じ」と公式資料に明記 している。テストが易しいから点が低いのではない
- 差の正体は 母集団 。公開テストは自費で申し込んだ人だけ、IPテストは企業や学校が受けさせるため英語に関心のない層も含まれる
- 分布の山も 公開テストは595〜644点、IPテストは395〜444点 と、200点分ずれている
この記事では、2つの受け方の違いを、IIBCの公式データと公式資料の記載で整理します。数値はすべて公式資料からの転記または算出で、推定値は含みません。
この記事の信頼性
- データ:IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」(2025年度=2025年4月〜2026年3月の実受験者データ)
- 制度の違いは同資料p.2〜p.3の記載に基づく
- 企業の利用状況:IIBC「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」(有効回答528社)
- スコア分布の人数合計が公表受験者数と完全一致することを確認済み(公開755,473/IP1,056,506)
- 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部
制度としての違い
まず、そもそも何が違うのかを公式資料の記載で整理します。
| 公開テスト | IPテスト(団体特別受験制度) | |
|---|---|---|
| 申し込み | 個人 | 実施団体の担当者 |
| 日程・会場 | IIBCが設定 | 実施団体の都合に合わせて設定 |
| 運営・管理 | IIBC | 実施団体 |
| 形式 | マークシート | マークシート または オンライン方式 |
| 結果 | 公式認定証/デジタル公式認定証 | スコアレポート(公式認定証は発行されない) |
| 結果公開 | 試験日から17日後 | テスト資材受領日から5営業日後 |
最大の違いは公式認定証が発行されないこと です。就職・転職でスコアの証明を求められる場面では、IPテストの結果が使えないことがあります。
もう一点、見落とされやすいのが オンライン方式は問題数と時間が違う ことです。マークシート方式が約2時間・200問なのに対し、 IPテストのオンライン方式は約1時間・90問 と公式資料に記載されています。同じL&Rでも受験の体験そのものが異なります。
ただしIIBCは「スコアの意味は同じ」と明記している
ここは誤解が多い部分です。公式資料には、公式認定証が発行されない点についての注記として、次のように書かれています。
「公式認定証、デジタル公式認定証は発行されません。ただし、公開テストとIPテストの結果(スコア)の意味は同じです。」
つまり IPテストの600点と公開テストの600点は、同じ英語力を意味します。 「IPテストは簡単だから点が出やすい」という説明は、公式の記載と食い違います。
にもかかわらず平均が124点違う。その理由は次の通りです。
平均が124点違う理由は、母集団
| 年度 | 公開テスト | IPテスト | 差 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 612 点(746,178人) | 492 点(1,017,037人) | 120 点 |
| 2024年度 | 615 点(735,425人) | 495 点(1,041,495人) | 120 点 |
| 2025年度 | 616 点(755,473人) | 492 点(1,056,506人) | 124 点 |
差は3年間ずっと120点前後で安定しています。
公開テストは、受験料を払って自分で申し込んだ人だけが受けます。 対策をして臨む層に偏るのは当然です。一方 IPテストは企業の研修や大学の授業で全員が受ける ため、英語学習の意欲に関係なく母集団に入ります。
これは内訳を見るとさらにはっきりします。
| 区分 | 受験者数 | 平均スコア |
|---|---|---|
| 公開テスト 全体 | 755,473 人 | 616 点 |
| IPテスト 企業・団体 | 424,158 人 | 538 点 |
| IPテスト 学校 | 632,348 人 | 462 点 |
| IPテスト 全体 | 1,056,506 人 | 492 点 |
IPテストの中でも、企業・団体538点と学校462点で76点違います。 IPテストの平均が492点に下がっているのは、受験者の6割が学校(主に大学1年生)だからです。
分布の山が200点ずれている
平均だけでなく、分布の形そのものが違います。
- 公開テストの最頻区分は595〜644点 (81,764人・10.8%)
- IPテストの最頻区分は395〜444点 (106,151人・10.0%)
山が200点分ずれています。 同じテストを受けているのに、受ける人が違うだけでこれだけ分布が動く、という例です。
大学生で見ると135点差
最も差が大きく出るのが大学生です。
| 学年 | 公開テスト | IPテスト | 差 |
|---|---|---|---|
| 大学1年 | 557 点(33,391人) | 451 点(271,712人) | 106 点 |
| 大学2年 | 589 点(53,437人) | 463 点(113,076人) | 126 点 |
| 大学3年 | 602 点(129,998人) | 507 点(68,569人) | 95 点 |
| 大学4年 | 614 点(104,022人) | 537 点(22,555人) | 77 点 |
| 大学 全体 | 601 点(331,403人) | 466 点(475,912人) | 135 点 |
学年が上がるほど差が縮まります。 大学1年では106点差ですが、4年では77点差 。IPテストの受験者が1年生271,712人から4年生22,555人へ大きく減ることと合わせて読むと、 学年が上がるにつれてIPテストの受験者も「英語をやっている層」に絞られていく 様子が見えます。
大学生の詳しい内訳は大学生のTOEIC平均は601点【2026年】学年別・専攻別にまとめています。
企業は採用でも昇進でも「両方」を使っている
「IPテストは評価されないのでは」という疑問に対する材料として、企業側の利用状況を挙げておきます。
| 場面 | 公開テストのみ | IPテストのみ | 両方とも使う |
|---|---|---|---|
| 採用時に参考にするテスト | 16.3% | 14.2% | 69.5% |
| 昇進・昇格で参考にするテスト | 6.7% | 18.4% | 74.9% |
出典はIIBC「英語活用実態調査 2019」(有効回答528社)で、 調査時点が2018〜2019年と古い点には注意 が必要です。それでも、 採用で69.5%、昇進で74.9%の企業が両方のスコアを見ている という結果は、IPテストのスコアが社内で使われていることを示しています。
一方で 公開テストのみを見る企業も採用で16.3%あります 。公式認定証が必要な場面があることも事実です。
自分のスコアを比べるときの使い分け
| 自分の受け方 | 比べる相手 |
|---|---|
| 自分で申し込んで受けた(公開テスト) | 全体616点/社会人649点/学生592点 |
| 会社の研修で受けた(IPテスト) | 企業・団体538点 |
| 大学の授業で受けた(IPテスト) | 学校462点/大学466点 |
取り違えると、実際より高く見えたり低く見えたりします。 大学の授業で600点を取った人が「平均616点より下だ」と落ち込むのは誤りで、比べるべき相手は466点です。
よくある質問
Q. IPテストは公開テストより簡単ですか。
IIBCは公式資料で「公開テストとIPテストの結果(スコア)の意味は同じ」と明記しています。平均が124点違うのは、テストの難易度ではなく受験者の母集団が違うためです。
Q. IPテストのスコアは就職・転職で使えますか。
2019年の企業調査では、採用時に69.5%の企業が公開テストとIPテストの両方を参考にしていました。ただし公開テストのみを見る企業も16.3%あり、IPテストでは公式認定証が発行されないため、証明書の提出を求められる場面では使えないことがあります。
Q. IPテストのオンライン方式は何が違いますか。
公式資料によると、マークシート方式が約2時間・200問なのに対し、IPテストのオンライン方式は約1時間・90問です。
Q. 大学のIPテストで何点あれば平均以上ですか。
IPテストの学校区分の平均は462点、大学だけなら466点です。学年別では大学1年451点、2年463点、3年507点、4年537点となっています。
Q. なぜ記事によってTOEICの平均点が違うのですか。
公開テストの616点を指しているか、IPテストの492点を指しているかの違いです。どちらも公式の数字です。両方を合わせた実受験者1,811,979人の加重平均は約544点になります。
出典・データについて
本記事の数値はすべて、IIBCが公表する下記の公式資料に基づいています。制度の違いは公式資料p.2〜p.3の記載を、企業の利用状況は2019年の企業調査を参照しました。分布の割合と加重平均は編集部が算出しています。スコア分布については、人数合計が公表受験者数と完全一致すること(公開755,473/IP1,056,506)を検算済みです。
出典
- 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026 — 2025年度 受験者数と平均スコア」(https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf )
- IIBC「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」(https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/lr/katsuyo_2019/pdf/katsuyo_2019_corpo.pdf )
- IIBC「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」(https://www.iibc-global.org/toeic/official_data.html )

