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CADを在宅で学べる通信講座を探すと、諒設計アーキテクトラーニングが出てきます。建築CAD・土木CAD・機械設備電気CAD の3つがあり、いずれも自宅で完結します。
ただ、講座ページを並べて読むと気になることが出てきます。3講座とも、取得できる資格の1つが同じなのです。
そして料金も、他の講座とは違います。諒設計の157講座のうち 153講座は59,800円/79,800円 ですが、CAD系だけ120,000円/140,000円 です。倍の開きがあります。
この記事では、公式サイトと資格を主催する協会のサイトを直接見て、3講座の中身・取れる資格・受験の実際を整理します。
この記事の結論(先に3つだけ)
- CAD3講座は共通で「CADデザインマスター®」が付きます。2つ受講すると同じ資格が重複するので、選ぶのは1つで十分です
- 料金はCAD系4講座だけ120,000円/140,000円。他の153講座(59,800円/79,800円)の約2倍です
- 受験資格は「特になし」で、在宅受験・合格基準70%。試験期間の制限も撤廃されており、いつでも受けられます
この記事の調べ方
- 調査日:2026年8月30日
- 調査対象①:諒設計アーキテクトラーニング公式サイト(建築デザイン・CADの講座一覧、各講座ページ、受講サポート)
- 調査対象②:日本インストラクター技術協会(受験資格・受験料・試験範囲・受験の流れ)
- 料金・資格名・試験条件はすべて出典元の表記をそのまま掲載しています
- 受講生の合格率は協会もスクールも公表していないため、この記事では扱いません
- 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部
まず「建築デザイン・CAD」ジャンルの全体像
公式サイトの「建築デザイン・CAD」ジャンルには5講座あります。取得できる資格まで並べると、構造がはっきりします。
| 講座 | 取得できる資格1 | 取得できる資格2 |
|---|---|---|
| 実践建築CAD建築技術者 | CADデザインマスター® | 建築CADインストラクター |
| 実践土木CAD技術者 | CADデザインマスター® | 土木CADインストラクター |
| 実践機械・設備・電気 | CADデザインマスター® | 機械・設備・電気CADインストラクター |
| インテリアデザイナー | インテリアデザイナー | インテリアアドバイザー |
| 空間ディスプレイデザイナー® | 空間ディスプレイデザイナー®1級 | 空間ディスプレイデザイナー®2級 |
※2026年8月30日時点の公式サイト表記
見てのとおりです。CAD系の3講座は、1つ目の資格がすべて「CADデザインマスター®」で同じです。
いちばん大事な注意:2つ受けると資格が重複します
たとえば「建築と土木の両方をやりたい」と考えて2講座受講したとします。取得できる資格はこうなります。
| 資格1 | 資格2 | |
|---|---|---|
| 実践建築CAD建築技術者 | CADデザインマスター® | 建築CADインストラクター |
| 実践土木CAD技術者 | 土木CADインストラクター |
2講座で240,000円(基本講座)を払っても、増える資格は3つです。4つにはなりません。
しかも諒設計の成果条件には「複数講座申込した場合も報酬は一律」という記載がある案件ですが、それは紹介側の話であって、受講する側から見れば単純に重複分が無駄になります。
CAD系を選ぶなら1講座に絞る。 どの分野の図面を描きたいかで決めてください。
建築の意匠・施工図なら建築CAD、土木設計なら土木CAD、プラント・設備・電気なら機械・設備・電気です。
編集部の見解:この重複は公式サイトに大きく書かれているわけではなく、5講座の「取得できる資格」欄を並べて初めて見えます。他の紹介サイトでも指摘されているのを見かけませんでした。2講座目を検討する前に、ここだけは確認してください。
料金:CAD系だけ他の講座の約2倍です
諒設計の157講座のうち、153講座は同じ金額です。CAD系4講座だけが別建てになっています。
| 講座 | 基本講座 | スペシャル講座 |
|---|---|---|
| 実践建築CAD建築技術者 | 120,000円 | 140,000円 |
| 実践土木CAD技術者 | 120,000円 | 140,000円 |
| 実践機械・設備・電気 | 120,000円 | 140,000円 |
| 空間ディスプレイデザイナー® | 120,000円 | 140,000円 |
| インテリアデザイナー | 59,800円 | 79,800円 |
| その他152講座 | 59,800円 | 79,800円 |
※2026年8月時点の公式サイト表記。すべて税込
同じCADジャンルでも、インテリアデザイナーだけは標準価格です。ここを混同すると予算が倍違ってきます。
受験料まで入れた総額
基本講座は試験を受けて資格を取るコースなので、受験料が別に必要です。受験料は1資格につき10,000円(税込)で、2資格なので20,000円。
| ルート | 受講料 | 受験料 | 総額 |
|---|---|---|---|
| 基本講座(2資格とも取得) | 120,000円 | 20,000円 | 140,000円 |
| スペシャル講座(試験免除) | 140,000円 | 0円 | 140,000円 |
CAD系でも「総額は同額」という関係が成立します。 他の153講座と同じ構造です。
同額なら、試験を受けずに課題提出だけで資格が認定されるスペシャル講座のほうが確実です。この考え方は 料金記事 で全講座について検証しています。
資格試験の中身:受験資格なし・在宅・合格基準70%
CAD系の資格は2つの協会が主催しています。日本デザインプランナー協会(CADデザインマスター®)と 日本インストラクター技術協会(各CADインストラクター)です。
協会サイトに載っている試験概要は、両協会とも同じ形式でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 特になし |
| 受験料 | 10,000円(消費税込み) |
| 受験申請 | インターネットからの申込み |
| 受験方法 | 在宅受験 |
| 合格基準 | 70%以上の評価 |
※出典:日本インストラクター技術協会「建築CADインストラクター資格検定試験概要」
試験日程の制限がなくなっています
協会サイトに、次の記載があります。
試験期間・受験申込み期間がなくなり、いつでも検定試験を受けられるようになりました。
(日本インストラクター技術協会)
つまり 「次の試験日まで待つ」という概念がありません。 準備ができたときに申し込めます。
受験の流れは4ステップ
協会サイトに書かれている手順です。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 受験申し込みよりお申込み |
| 2 | 1週間以内に試験問題を郵送 |
| 3 | 試験を解いて、備え付けの封筒に入れお送りください |
| 4 | 到着後、10日前後で合否結果照会にて合否の確認 |
在宅受験というのは「自宅にPCを置いて監視カメラで受ける」ような形式ではなく、問題が郵送されてきて、解いて送り返す方式です。会場に行く必要はありません。
試験範囲(建築CADインストラクターの例)
建築CADの基礎知識/施工図/基礎伏せ図/見上げ図/平面詳細図/建築図/用語/記号などの知識が問われます。
ソフトの操作そのものより、図面の読み書きに関する知識が問われる構成です。CADソフトを触った経験がなくても、テキストで学べば対応できる範囲だと読めます。
AutoCADとJWCAD、どちらを学ぶことになるのか
建築CADインストラクター資格は「AutoCAD・JWCADいずれかの操作が実務において通用するレベルまで達した方へ認定」とされています。この2つは性格がかなり違います。協会サイトの説明を整理します。
| AutoCAD | JWCAD | |
|---|---|---|
| 提供 | Autodesk社(米国)の販売ソフト | フリーウェア |
| シェア | CADソフトで最大 | AutoCADに次ぐ |
| 操作 | キーボード中心で打ち込んで作図 | キーボードは数値入力程度、マウス中心 |
| 機能 | ずば抜けて多い。2Dに加え3Dにも対応 | AutoCADに比べて限定的。直感的 |
| 主な使用者 | 大手ゼネコン・官公庁・建築系企業 | 個人事業主・小規模企業 |
※出典:日本インストラクター技術協会「資格コラム」
協会自身が、こう書いています。
(AutoCADを)完璧に使いこなすには独学ではなく、CAD講座や専門学校などに通って、知識や操作、機能などを学ぶのが良いと言えます。
そして選び方についても明確です。
大手のゼネコンや官公庁などでユーザーが多く、特に建築系の企業では多くの場合でAutoCADを使用していますので、建築業界で活躍したいのであればAutoCADを選んで損はない
就職・転職を目的にするならAutoCAD、個人で図面を描くならJWCAD、という整理になります。
応募したい会社が決まっているなら、求人票で使用CADを確認してから講座を選ぶのが確実です。
対策教材は「協会の認定講座」しかありません
ここが、この資格のいちばん特殊な点です。
協会サイトには「当協会指定の認定講座」として、次の3つだけが挙げられています。
- SARAスクールジャパン
- 諒設計アーキテクトラーニング
- CAD通信教育実践建築CADコース
※出典:日本インストラクター技術協会 建築CADインストラクター資格ページ
市販の対策テキストは案内されていません。 受験資格は「特になし」なので制度上は誰でも受験できますが、試験範囲に合わせた教材が認定講座しかないという状態です。
編集部の見解:これは「独学ができない」という意味ではなく、「独学しようにも対策本が売っていない」という意味です。CADの一般的な参考書で学ぶことはできますが、それがこの試験の出題範囲と一致している保証はありません。受験料10,000円×2を払って範囲が外れると、そのまま損になります。
独学ルートを検討している場合は、独学と講座の比較記事 で費用と現実性を検証しました。
講座の中身:期間・サポート・教材形式
公式サイトの記載を整理します。CAD系も他の講座と共通の仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講期間 | 6ヶ月 |
| 最短取得(スペシャル講座) | オンライン1ヶ月/紙教材2ヶ月 |
| 最短取得(基本講座) | 最短3ヶ月(試験を受けるため) |
| 添削 | 5回(スペシャル講座は+卒業課題1回) |
| 質問対応 | 無料・回数無制限 |
| 教材形式 | 紙のテキスト/オンライン学習 から選択 |
| 学習ペースの目安 | 1日30分でも資格取得を目指せる(公式表記) |
| 入学金 | 無料(教材費は受講料に込み) |
| 資格の有効期限 | 更新不要の終身資格(スクール表記) |
公式サイトには受講者について 「初学者92%」(2023年受講生アンケート回答)、年齢層は10代から80代までという記載もあります。
紙とオンラインの違い
| 紙教材(通常講座) | オンライン講座 | |
|---|---|---|
| 教材 | 冊子のテキスト一式が自宅に届く | Webで学習 |
| 添削 | 添削指導者とのやり取りがある | 紙教材なし |
| やり取りの速さ | 郵送なので多少時間がかかる | ― |
| 最短取得 | 2ヶ月 | 1ヶ月 |
急ぐならオンライン、じっくり添削のやり取りをしたいなら紙という分かれ方です。CADは図面を描く分野なので、手を動かした結果を人に見てもらいたいなら紙教材の添削は意味があります。
どの講座を選ぶか:分野で決まります
| こういう人 | 選ぶ講座 | 取得できる資格 |
|---|---|---|
| 建築の意匠図・施工図を描きたい | 実践建築CAD建築技術者 | CADデザインマスター®/建築CADインストラクター |
| 土木設計の図面を描きたい | 実践土木CAD技術者 | CADデザインマスター®/土木CADインストラクター |
| プラント・設備・電気の図面を描きたい | 実践機械・設備・電気 | CADデザインマスター®/機械・設備・電気CADインストラクター |
| CADより室内の設計・提案をしたい | インテリアデザイナー(59,800円/79,800円) | インテリアデザイナー/インテリアアドバイザー |
| 店舗・展示の空間演出をしたい | 空間ディスプレイデザイナー® | 1級/2級 |
CADを名乗る3講座の違いは「対象分野」だけで、料金・期間・添削回数・取得資格数はすべて同じです。迷ったら、描きたい図面がどれかで決めてください。
この資格でできること・できないこと
正直に書きます。これらはいずれも民間資格で、業務独占資格ではありません。 この資格がないとCADの仕事ができない、ということはありません。
協会は資格の位置づけをこう説明しています。
開業資格・講師資格として有効であり、また、各スキルを利用する企業、現場において要求される基本的な技術を十分理解した上で、用途や目的に応じて、技術の有効活用を行うことができる人材の育成を目的としています。
つまり 「一定水準を満たしていることの証明」 という位置づけです。実務経験の代わりにはなりません。
編集部の見解:CAD系に120,000円〜140,000円を払う判断は、「資格が欲しい」より「CADを体系的に学べる教材と添削が欲しい」という動機のほうが納得感があります。資格そのものの評価については 民間資格の位置づけを整理した記事 で扱いました。
よくある質問
Q. CADソフトは自分で用意する必要がありますか?
公式サイトの講座ページには、CADソフトの提供について明確な記載がありませんでした。JWCADはフリーウェアなので入手自体は無料ですが、AutoCADは有償ソフトです。申し込む前に電話(0120-757-592)で確認してください。
Q. 建築CADと土木CAD、両方取ると資格は4つになりますか?
なりません。3つです。 どちらの講座にも「CADデザインマスター®」が含まれるため重複します。
Q. 未経験でも大丈夫ですか?
公式サイトには「初学者92%」(2023年受講生アンケート回答)、受講者の年齢層は10代から80代という記載があります。試験範囲も図面の知識が中心で、ソフトの高度な操作を問うものではありません。
Q. 試験はいつ受けられますか?
協会サイトに「試験期間・受験申込み期間がなくなり、いつでも検定試験を受けられるようになりました」と記載があります。申し込むと1週間以内に問題が郵送され、解いて返送、到着後10日前後で合否が確認できます。
Q. スペシャル講座なら本当に試験なしで取れますか?
公式サイトには「課題を全てクリアし、コースを卒業すると試験免除」と記載されています。ただし 添削課題と卒業課題の提出は必須で、何もせずに資格が届くわけではありません。条件は 試験免除の記事 で詳しく確認しました。
Q. インテリアデザイナーもCADが学べますか?
インテリアデザイナー講座で取得できるのは「インテリアデザイナー」「インテリアアドバイザー」で、CAD系の資格ではありません。CADを学びたいなら、CADを名乗る3講座から選んでください。
まとめ
- CAD・建築ジャンルは5講座。うち CADを名乗るのは3講座(建築/土木/機械・設備・電気)
- 3講座は共通で「CADデザインマスター®」が付く。 2つ受けても資格は3つにしかならない
- 料金は CAD系4講座だけ120,000円/140,000円。インテリアデザイナーは標準価格の59,800円/79,800円
- 基本講座+受験料20,000円=140,000円で、スペシャル講座と総額は同額
- 受験は 受験資格なし・在宅・合格基準70%。試験期間の制限は撤廃されている
- 対策教材は協会指定の認定講座3つのみ。 市販の対策本は案内されていない
- 取得できるのは 民間資格。業務独占ではない
CAD系は諒設計アーキテクトラーニングの独自領域で、姉妹校のSARAスクールには CADを名乗る講座がありません(両校の比較記事 で検証)。CADを在宅で学びたい場合、選択肢はかなり限られます。

