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諒設計アーキテクトラーニングの講座は 59,800円 から。安くはありません。
そこで当然の疑問が出てきます。「講座を受けずに、試験だけ受けて資格を取れないのか」
結論から書きます。制度上は取れます。 資格を主催している協会のサイトを見ると、受験資格は 「特になし」 と明記されています。講座の受講は受験の条件になっていません。
では、講座代の59,800円は何を買っているのか。この記事では、独学ルートの実費を計算し、差額が何に対応しているのかを協会と公式サイトの情報だけで分解します。
この記事の結論(先に3つだけ)
- 独学受験は制度上できます。受験資格は「特になし」、在宅受験、合格基準70%。試験期間の制限も撤廃されています
- 独学の実費は2資格で20,000円(受験料10,000円×2)。基本講座なら79,800円、スペシャル講座なら79,800円かかります
- ただし協会が案内する対策教材は認定講座3つだけで、市販の対策テキストがありません。差額の大半は「範囲に合った教材」の代金です
この記事の調べ方
- 調査日:2026年8月30日
- 調査対象①:日本インストラクター技術協会の資格ページ(受験資格・受験料・受験方法・合格基準・受験の流れ・認定講座)
- 調査対象②:諒設計アーキテクトラーニング公式サイト(各講座ページの料金と取得資格、受講サポート)
- 金額と条件はすべて出典元の表記をそのまま掲載しています。合計は編集部が足し算した値です
- 合格率は協会もスクールも公表していないため扱いません
- 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部
まず事実確認:受験資格は「特になし」です
諒設計アーキテクトラーニングの講座で取れる資格は、スクールが独自に出しているものではなく、外部の協会が認定しています。主に次の2つです。
- 日本デザインプランナー協会
- 日本インストラクター技術協会
協会のサイトに、試験概要が公開されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 特になし |
| 受験料 | 10,000円(消費税込み) |
| 受験申請 | インターネットからの申込み |
| 受験方法 | 在宅受験 |
| 合格基準 | 70%以上の評価 |
※出典:日本インストラクター技術協会の資格検定試験概要
「特になし」と書かれています。 諒設計やSARAの講座を受けていることは、受験の条件になっていません。
さらに、試験日程についてもこう記載があります。
試験期間・受験申込み期間がなくなり、いつでも検定試験を受けられるようになりました。
つまり、思い立ったときに申し込んで、自宅で受験できます。
受験の流れは4ステップ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 受験申し込みよりお申込み |
| 2 | 1週間以内に試験問題を郵送 |
| 3 | 試験を解いて、備え付けの封筒に入れお送りください |
| 4 | 到着後、10日前後で合否結果照会にて合否の確認 |
※出典:日本インストラクター技術協会
申し込みから合否確認まで、順調なら 1ヶ月弱 です。会場に出向く必要はありません。
独学ルートの実費は20,000円
諒設計の講座は、修了すると 2つの資格 が取れる構成です。独学で同じ2資格を狙う場合の費用を計算します。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 資格1の受験料 | 10,000円 |
| 資格2の受験料 | 10,000円 |
| 独学ルートの実費 | 20,000円 |
※受験料は税込。教材費は自己調達分が別途
これを講座ルートと並べます。
| ルート | 受講料 | 受験料 | 総額 |
|---|---|---|---|
| 独学(試験だけ受ける) | 0円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 基本講座(2資格とも取得) | 59,800円 | 20,000円 | 79,800円 |
| スペシャル講座(試験免除) | 79,800円 | 0円 | 79,800円 |
※153講座に共通する標準価格。CAD系4講座は120,000円/140,000円と別価格
差額は59,800円。 ここが判断の焦点です。
差額59,800円が買っているもの
「20,000円で済むなら独学が得」——そう結論づける前に、独学ルートに含まれていないものを確認します。
1. 試験範囲に合った教材(これが最大の問題)
協会のサイトには「当協会指定の認定講座」という欄があり、次の3つだけが挙げられています。
- SARAスクールジャパン
- 諒設計アーキテクトラーニング
- (分野ごとの専門講座)
市販の対策テキストは案内されていません。
一般向けの参考書で学ぶことはできますが、それがこの試験の出題範囲と一致している保証はありません。 たとえば建築CADインストラクターの試験範囲は次のように公開されています。
建築CADの基礎知識/施工図/基礎伏せ図/見上げ図/平面詳細図/建築図/用語/記号などの知識が問われます。
範囲は分かりますが、この範囲に沿って編集された市販書籍があるかは別問題です。
これは「独学できない」ではなく「独学しようにも対策本が売っていない」という意味です。
受験料10,000円×2を払って範囲が外れると、その分がそのまま損になります。
2. 試験免除(スペシャル講座の場合)
スペシャル講座は 試験そのものを受けずに 資格が認定されます。公式サイトの記載は「課題を全てクリアし、コースを卒業すると試験免除」です。
独学ルートでは当然、試験を受けなければなりません。70%以上という合格基準に届かなければ、受験料はもう一度かかります。
試験免除の条件は 試験免除の記事 で詳しく検証しました。何もせずに資格が届くわけではなく、添削課題5回と卒業課題1回の提出が必要です。
3. 添削と質問対応
公式サイトによれば、講座には次が含まれます。
| 内容 | 記載 |
|---|---|
| 添削 | 5回(スペシャル講座は+卒業課題1回) |
| 質問対応 | 無料・回数無制限 |
| 学習ペースの目安 | 1日30分でも資格取得を目指せる |
| 教材形式 | 紙のテキスト/オンライン から選択 |
| 入学金 | 無料(教材費は受講料に込み) |
独学ではこれらがすべてありません。分からないところを聞ける相手がいないのが実務上いちばん効きます。
差額の内訳を整理すると
| 差額59,800円が対応するもの | 独学だとどうなるか |
|---|---|
| 試験範囲に合った教材一式 | 市販の対策本が案内されていない |
| 添削5回 | なし |
| 質問対応(無料・無制限) | なし |
| 試験免除(スペシャル講座) | 試験を受ける必要がある |
| 学習の順序が決まっている | 自分で範囲を組み立てる |
編集部の見解:これは「講座を受けるべき」という結論ではありません。「独学は制度上できるが、教材の問題が解けるかどうかで決まる」 ということです。すでにその分野の実務経験や学習歴があり、範囲の知識を持っている人なら20,000円で足ります。まったくの初学者が、対策本のない試験に独学で挑むのは分が悪い。
なお公式サイトには受講者の 「初学者92%」(2023年受講生アンケート回答)という記載があります。実際に受講しているのは、ほぼ初学者だということです。
独学が向く人・向かない人
| こういう人 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| その分野の実務経験・学習歴がある | 独学で足りる | 範囲の知識をすでに持っている。20,000円で2資格 |
| 資格の名称だけあればよく、学ぶ必要がない | 独学で足りる | 教材にお金を払う理由がない |
| 独学で使う教材を自分で選べる | 独学で足りる | 範囲に合う本を判断できるなら問題ない |
| まったくの初学者 | 講座のほうが確実 | 対策本が案内されていない試験に、独力で範囲を組み立てるのは難しい |
| 試験に落ちたくない・確実に取りたい | スペシャル講座 | 試験免除なので不合格という結果が発生しない |
| 添削で手を見てもらいたい | 講座 | 独学では手に入らない |
| とにかく費用を抑えたい | 独学 | 差額59,800円は小さくない |
判断の分かれ目は1つだけです。
「対策本がない試験に、自分で範囲を組み立てて臨めるか」
できるなら20,000円。できないなら、その組み立てを買うのが講座代です。
見落としやすい点:CAD系は前提が変わります
ここまでは標準価格の153講座を前提にしてきました。CAD系4講座は料金が違うので、差額の意味も変わります。
| ルート | 受講料 | 受験料 | 総額 |
|---|---|---|---|
| 独学 | 0円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 基本講座(CAD系) | 120,000円 | 20,000円 | 140,000円 |
| スペシャル講座(CAD系) | 140,000円 | 0円 | 140,000円 |
差額は120,000円に広がります。しかもCAD系は、AutoCADやJWCADといったソフトの操作が絡む分野です。独学で最も難しい部類でもあります。
CAD系の詳細は CAD講座の記事 にまとめました。協会自身が「(AutoCADを)完璧に使いこなすには独学ではなく、CAD講座や専門学校などに通って学ぶのが良い」と書いている点も含めて検証しています。
そもそもこの資格を取る意味があるか
費用の話の前に、確認しておくべきことがあります。これらはいずれも民間資格で、業務独占資格ではありません。
- この資格がないとできない仕事はありません
- 名称の使用が法律で守られているわけでもありません
- 協会は「開業資格・講師資格として有効」と説明しています
20,000円でも59,800円でも、目的に合っていなければ支出です。 資格の位置づけについては 「意味ない」と言われる理由を整理した記事 で正面から扱いました。先にそちらを読んでから費用を判断するほうが、順番として正しいと思います。
よくある質問
Q. 本当に講座を受けなくても受験できますか?
協会サイトの試験概要に「受験資格:特になし」と明記されています。ただし個別の可否は協会の判断になるので、申し込む前に協会へ直接確認してください。
Q. 独学の場合、教材は何を使えばいいですか?
協会サイトには市販の対策テキストの案内がありません。 案内されているのは認定講座(SARAスクールジャパン/諒設計アーキテクトラーニング等)だけです。一般的な参考書で学ぶことは可能ですが、出題範囲と一致する保証はありません。
Q. 試験に落ちたらどうなりますか?
合格基準は70%以上です。再受験の場合、受験料10,000円がもう一度かかります。 2回落ちれば独学ルートの費用は40,000円になり、講座との差額は縮みます。
Q. 独学だと資格認定証はもらえませんか?
協会の試験に合格すれば、協会から資格が認定されます。ただし諒設計の講座を修了した場合に発行される 「講座修了証」 は、当然ながら受講者だけのものです。
Q. 何日くらいで資格が取れますか?
独学の場合、申込→1週間以内に問題郵送→返送→到着後10日前後で合否、という流れです。学習期間を除けば1ヶ月弱。講座の場合はスペシャル講座で最短1ヶ月(オンライン)/2ヶ月(紙教材)、基本講座で最短3ヶ月です。
Q. 講座を受けたほうが合格しやすいですか?
合格率は協会もスクールも公表していないため、比較できません。 スクール側は「卒業生の8割以上が有資格保持者」と記載していますが、これは自己申告の数字で、独学者との比較データではありません。
まとめ
- 受験資格は「特になし」。 講座を受けずに独学で受験することは制度上できる
- 受験は 在宅・合格基準70%・受験料10,000円。試験期間の制限は撤廃済み
- 独学ルートの実費は2資格で20,000円。基本講座なら79,800円、スペシャル講座なら79,800円
- 差額59,800円が買っているのは、試験範囲に合った教材・添削5回・無料無制限の質問対応・(スペシャルなら)試験免除
- 協会が案内する対策教材は認定講座だけ。市販の対策テキストは案内されていない
- CAD系は差額が 120,000円 に広がるうえ、独学の難易度も上がる
安いほうを選べば得、という単純な話ではありませんでした。判断は「対策本がない試験に、自分で範囲を組み立てて臨めるか」の一点です。
教材の中身は無料の資料請求で確認できます。差額を払う価値があるかは、実物を見てから決めるのが確実です。

