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「CADの資格を取りたい」と思って調べると、名前の似た試験がいくつも出てきて、どれが何なのか分かりにくいはずです。
CADの資格には、誰でも受けられる公開試験と、通信講座を修了して在宅で取る民間資格の2系統があります。前者の代表が「CAD利用技術者試験」と「建築CAD検定試験」。後者の代表が「CADデザインマスター®」「建築CADインストラクター」などです。
この記事は、CAD資格の全体像と選び方が役割です。公開試験2つは主催団体の公式サイトで、級・受験料・試験方式・合格率・2026年度の日程を確認しました。在宅で取る民間資格は、諒設計アーキテクトラーニングの講座の中身を 別記事 で詳しく検証しているので、ここでは「どこに位置するか」だけを書きます。
この記事の結論(先に3つだけ)
- CADの知識を証明したいなら「CAD利用技術者試験」(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)。2次元2級は受験資格なし・CBT・通年・7,150円・合格率54.0%(2025年度)
- 建築図面を描く技能を証明したいなら「建築CAD検定試験」(一般社団法人全国建築CAD連盟)。実技のみ・年2回・3級11,500円・2級合格率61.8%(2025年度)。ただし2026年度の一般受験の申込は終了しています
- ソフト操作を通信で学び、在宅で資格の形にしたいなら諒設計のCAD講座。取れるのは民間資格(受験料10,000円・在宅・合格基準70%)で、上の2試験とは別物です
この記事の調べ方
- 調査日:2026年9月24日
- 調査対象①:一般社団法人コンピュータ教育振興協会(2次元・3次元CAD利用技術者試験の概要ページ、2026年度パンフレット、統計情報ページ)
- 調査対象②:一般社団法人全国建築CAD連盟(試験概要・一般受験実施要項・2026年度日程・統計資料)
- 調査対象③:諒設計アーキテクトラーニング公式サイト、日本デザインプランナー協会、日本インストラクター技術協会
- 数値はすべて出典元の表記をそのまま掲載。受験者数が公表されていない試験の「難易度」は推定しません
- 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部
CADの資格は2系統ある
最初に地図を描きます。
| 系統 | 資格・試験 | 主催 | 受け方 |
|---|---|---|---|
| 公開試験 | CAD利用技術者試験(2次元 基礎・2級・1級/3次元 2級・準1級・1級) | 一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP) | 基礎は自宅、2級はCBT会場、1級は会場で実技 |
| 公開試験 | 建築CAD検定試験(4級・3級・准2級・2級・准1級) | 一般社団法人全国建築CAD連盟(AACL) | 会場で実技(自分のノートPC持込も可) |
| 講座修了型 | CADデザインマスター®/建築・土木・機械設備電気CADインストラクター | 日本デザインプランナー協会/日本インストラクター技術協会 | 在宅受験(認定講座で学び、問題を郵送で受け取り返送) |
いずれも民間資格で、業務独占資格ではありません。「この資格がないとCADの仕事ができない」ということはどれにも当てはまりません。違いは「誰でも受けられて合格率が公表されている公開試験か」「講座とセットの在宅試験か」です。
CAD利用技術者試験:知識を問う試験。2級と基礎は通年・受験資格なし
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する試験で、2次元と3次元に分かれています。国の「教育訓練給付金制度」の対象資格であることが協会サイトに明記されています。
級の構成と受験料(2026年度・個人受験・税込)
| 区分 | 級 | 受験料 | 受験資格 | 方式 | 時間・出題 | 実施 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2次元 | 基礎 | 5,500円 | 制限なし | IBT(自宅受験可) | 50分・50問 | 通年 |
| 2次元 | 2級 | 7,150円 | 制限なし | CBT(専用会場・CADソフト不使用) | 60分・60問 | 通年 |
| 2次元 | 1級(機械/建築/トレース) | 18,700円 | 2級または1級の有資格者 | 実技(CAD操作・データ提出)+筆記25問 | 80分 | 年2回(前期6月14日・後期11月8日) |
| 3次元 | 2級 | 8,800円 | 制限なし | CBT(CADソフト不使用) | 60分・60問 | 通年 |
| 3次元 | 準1級 | 13,200円 | 2級有資格者 | 実技(ノートPC持込) | 120分 | 年2回(前期7月19日・後期12月6日) |
| 3次元 | 1級 | 18,700円 | 2級または準1級有資格者 | 実技(ノートPC持込) | 120分 | 年2回(同上) |
※出典:一般社団法人コンピュータ教育振興協会「2次元CAD利用技術者試験 概要」(https://www.acsp.jp/cad/2d.html)、「3次元CAD利用技術者試験 概要」(https://www.acsp.jp/cad/3d.html)、2026年度パンフレット。団体(認定会場)受験は別価格
構造は階段型です。基礎と2級は誰でも受けられますが、1級を受けるには2級の合格が必須です。2次元1級は「機械」「建築」「トレース」の3分野に分かれ、実技では実際にCADソフトで作図してデータを提出します。
合格基準は、2級が「CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上」、1級が「実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上」です。
協会が想定する受験対象者は次のとおりです。
- 基礎:「これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者」
- 2級:「設計・製図などの業務に従事することを目指す方、もしくは従事して間もない方」
- 1級:「設計・製図業務に従事して1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方」
2級と基礎はCADソフトを使わない筆記(選択式)試験です。「CADの資格」と聞いて操作の実技を想像しがちですが、2級まではCADの仕組み・製図の知識を問う試験で、ソフトを触ったことがなくても受けられます。
合格率:2次元2級は54%、1級は3〜4割
協会の統計情報ページから、直近の数値を抜き出しました。
| 試験 | 年度・期 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2次元 基礎 | 2025年度 | 554人 | 456人 | 82.31% |
| 2次元 2級 | 2025年度 | 3,469人 | 1,874人 | 54.02% |
| 2次元 1級(建築) | 2025年度後期 | 128人 | 45人 | 35.16% |
| 2次元 1級(機械) | 2025年度後期 | 184人 | 78人 | 42.39% |
| 2次元 1級(トレース) | 2025年度後期 | 43人 | 32人 | 74.42% |
| 3次元 2級 | 2025年度 | 2,246人 | 1,658人 | 73.82% |
| 3次元 準1級 | 2025年度後期 | 357人 | 263人 | 73.67% |
| 3次元 1級 | 2025年度後期 | 239人 | 68人 | 28.45% |
※出典:同協会「統計情報」(https://www.acsp.jp/cad/statistics.html)
受験者がいちばん多いのは2次元2級(年3,469人)で、合格率は54%。2人に1人は落ちる試験です。1級は分野・回によって振れ幅が大きく、たとえば2次元1級(建築)は2025年度前期39.84%、後期35.16%、2026年度前期30.43%と推移しています。3次元1級は2〜3割台で、この体系の中で最も合格率が低い級です。
建築CAD検定試験:図面を描く実技だけ。年2回・受験資格なし
一般社団法人全国建築CAD連盟が主催する試験で、連盟は「1993年に誕生した日本初の建築CAD資格試験」としています。
こちらは筆記がなく、実技のみです。「与えられた条件のもと建築一般図を作成する」または「与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする技能を測る」試験と説明されています。
級と受験料(一般受験・税込)
| 級 | 受験料 | 実技時間 | 実施 |
|---|---|---|---|
| 准1級 | 15,500円 | 4時間10分(設定10分・計画30分・作図3時間30分) | 10月のみ |
| 2級 | 12,500円 | 5時間 | 4月・10月 |
| 准2級 | 12,000円 | 3時間 | 4月・10月 |
| 3級 | 11,500円 | 2時間 | 4月・10月 |
| 4級 | ― | ― | 高校の団体受験のみ |
※出典:一般社団法人全国建築CAD連盟「一般受験 実施要項」(https://www.aacl.gr.jp/22jisshi-youkou01.html)
受験資格は「規定無し」で、どの級からでも受けられます。会場のパソコンを使うか、自分のノートパソコンを持ち込むかを選べます(持込の場合は受験可能なCADソフトを事前確認)。
なお「1級」は存在しません。連盟は「1級の実施は時期尚早」としており、准1級が最高位です。
合格率:3級68%、2級62%、准1級35%
| 年度 | 准1級 | 2級 | 准2級 | 3級 | 4級 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 34.8% | 61.8% | 64.4% | 68.3% | 87.2% |
| 2024年度 | 19.2% | 60.1% | 58.9% | 72.2% | 89.9% |
| 2023年度 | 7.1% | 58.3% | ― | 69.7% | 91.3% |
※出典:同連盟「統計資料」(https://www.aacl.gr.jp/11goukakuritsu01.html)。准2級は2024年度に開始。受験者数の実数は統計ページに掲載がないため書いていません
准1級の合格率は年によって7.1%〜34.8%と大きく振れます。4面の建築図面を4時間強で完成させる試験で、全図面の完成が合否の条件です。2級・3級は6〜7割で安定しています。
2026年度の日程:一般受験の申込は終了している
| 回 | 試験日 | 申込期間 | 合否発表 |
|---|---|---|---|
| 第104回(春) | 2026年4月5日・12日・19日・26日 | 2月2日〜2月20日 | 6月中旬 |
| 第106回(秋) | 2026年10月4日・11日・18日・25日 | 8月3日〜8月20日 | 12月中旬 |
※出典:同連盟「2026年度試験日程(一般受験)」(https://www.aacl.gr.jp/21ippan-nittei01.html)
2026年9月24日時点で、2026年度の一般受験はどちらも申込を終えています。次に一般で受けられるのは2027年4月の春季試験で、申込は例年2月です。
2つの公開試験を1枚で比べる
| CAD利用技術者試験 | 建築CAD検定試験 | |
|---|---|---|
| 問うもの | CADと製図の知識(1級は操作の実技も) | 建築図面を描く技能(実技のみ) |
| 分野 | 機械・建築・トレース、3次元 | 建築 |
| 入口の級 | 基礎(自宅IBT・5,500円)/2級(CBT・7,150円) | 3級(11,500円) |
| 入口の級の合格率 | 基礎82.3%/2級54.0% | 3級68.3% |
| 受けられる時期 | 基礎・2級は通年 | 年2回(4月・10月)。2026年度は申込終了 |
| 最上位 | 1級(要2級合格・18,700円・合格率3〜4割) | 准1級(15,500円・合格率34.8%) |
- 機械系・製造系、または3次元CADを扱いたい → CAD利用技術者試験(3次元は2級から)
- 建築の図面を描く仕事に就きたい → 建築CAD検定試験、またはCAD利用技術者試験2次元1級(建築)
- まず今すぐ何か受けたい → CAD利用技術者試験の基礎か2次元2級(通年で申込可)
在宅で取る民間資格:諒設計のCAD講座はどこに位置するか
ここまでの2つとは別のルートがあります。通信講座で実務ソフトの操作を学び、講座とセットの在宅試験で民間資格を取るルートです。諒設計アーキテクトラーニングのCAD系3講座(実践建築CAD建築技術者/実践土木CAD技術者/実践機械・設備・電気)がこれにあたります。
| 項目 | 公開試験2つ | 諒設計のCAD講座で取る資格 |
|---|---|---|
| 取れる資格 | CAD利用技術者/建築CAD検定 各級 | CADデザインマスター®+各CADインストラクター |
| 認定団体 | ACSP/AACL | 日本デザインプランナー協会/日本インストラクター技術協会 |
| 受験資格 | なし(上位級は下位級合格が条件) | 特になし |
| 受験料 | 5,500円〜18,700円 | 各10,000円 |
| 受験方法 | 会場(基礎のみ自宅IBT) | 在宅受験(問題が郵送され、解いて返送) |
| 試験時期 | 通年または年2回 | 随時(試験期間の制限なし) |
| 合格基準 | 総合7割以上 など | 70%以上の評価 |
| 合格率 | 公表あり | 非公表 |
| 対策教材 | 公式ガイドブック(市販) | 協会指定の認定講座のみ(市販テキストなし) |
| 講座料金 | ― | 120,000円/140,000円(スペシャル講座は試験免除) |
※出典:諒設計「建築デザイン・CADの資格講座」(https://www.designlearn.co.jp/course/cad/)、日本インストラクター技術協会「建築CADインストラクター」(https://www.jpinstructor.org/shikaku/kenchikucad/)
正直に位置づけると、こうなります。
- 公開試験は「試験を受けに行く」もの。教材は市販の公式ガイドブックで、独学が前提。合格率が公表されていて、落ちることがある
- 諒設計は「学ぶ講座に資格が付いてくる」もの。受講料は公開試験の受験料より桁が1つ大きい代わりに、テキスト・添削5回・質問無制限が付き、在宅で受ける。合格率は非公表で、スペシャル講座なら課題提出で試験免除
つまり、「資格そのものが欲しい」なら公開試験のほうが安く、「CADを一から教えてもらう教材と添削が欲しい」なら諒設計という分かれ方です。公開試験の合格者が持つ「会場で図面を描いて通った」という証明と、在宅の民間資格は性質が違います。ここを混同しないでください。
編集部の見解:諒設計のCAD講座に120,000円〜140,000円を払う判断は、資格の名前より「AutoCADやJWCADの操作を体系的に学び、描いた図面を人に見てもらいたい」という動機のほうが納得感があります。講座で学んだ操作を、あとからCAD利用技術者試験や建築CAD検定で試すルートも矛盾しません。
諒設計のCAD3講座の中身(取れる資格の重複、料金の内訳、AutoCADとJWCADの違い、試験範囲)は 建築CAD・土木CADの通信講座の検証記事 で詳しく書いています。独学との比較は 独学と講座の比較記事 をご覧ください。
目的別の選び方
| こういう人 | 選ぶルート | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| CADの基礎知識があることを、今すぐ安く証明したい | CAD利用技術者試験 2次元基礎(5,500円・自宅IBT) | 公式ガイドブックで学び、通年申込 |
| 設計・製図の仕事を目指していて、履歴書に書ける級が欲しい | CAD利用技術者試験 2次元2級(7,150円・CBT)→ 1級 | 2級は通年。1級は前期6月・後期11月 |
| 機械・製造系で3次元CADを使う | 3次元CAD利用技術者試験 2級(8,800円)→ 準1級・1級 | 2級は通年。準1級・1級は7月・12月 |
| 建築図面を描く技能を、実技で証明したい | 建築CAD検定試験 3級・准2級・2級 | 次の一般受験は2027年4月。申込は例年2月 |
| CADソフトを一から教材と添削で学びたい。在宅で資格の形にしたい | 諒設計のCAD講座(120,000円/140,000円) | まず無料の資料請求で教材を確認 |
よくある質問
Q. CADの資格に国家資格はありますか?
この記事で扱った資格はすべて民間資格です。CAD利用技術者試験・建築CAD検定試験は一般社団法人が、CADデザインマスター®などは民間の協会が認定しています。
Q. CADを触ったことがなくても受けられる試験はありますか?
CAD利用技術者試験の2次元基礎と2次元2級、3次元2級は、いずれもCADソフトを使わない筆記(選択式)試験で、受験資格もありません。協会は基礎を「3ヶ月程度の就学者」を想定した試験と説明しています。
Q. CAD利用技術者試験の1級は、いきなり受けられますか?
受けられません。2次元1級は「2級または1級の有資格者」、3次元1級は「2級または準1級有資格者」が受験資格です。申込時に認定番号の入力が必要です。
Q. 建築CAD検定試験は今年まだ受けられますか?
一般受験は2026年度の春(4月)・秋(10月)とも申込を終えています。次は2027年4月の春季試験です。学校や企業の団体受験は別日程です。
Q. 諒設計のCAD講座で、CAD利用技術者試験や建築CAD検定の対策はできますか?
諒設計の講座は、日本デザインプランナー協会・日本インストラクター技術協会の資格に対応した認定講座です。CAD利用技術者試験や建築CAD検定試験の対策講座ではありません。それらの試験は各主催団体の公式ガイドブック・過去問題で対策します。
Q. インテリアの資格も同じジャンルにありますが、CADは学べますか?
諒設計の「インテリアデザイナー」講座は、公式サイトの講座ページにCADのカリキュラムの記載がありません。インテリア系の資格については インテリアコーディネーターの資格の記事 で整理しています。
まとめ
- CADの資格は公開試験2つ(CAD利用技術者試験・建築CAD検定試験)と、講座とセットの在宅民間資格の2系統。すべて民間資格
- CAD利用技術者試験:2次元基礎5,500円(自宅IBT・合格率82.3%)、2次元2級7,150円(CBT・通年・合格率54.0%)、1級18,700円(要2級・合格率3〜4割)。3次元は2級8,800円〜1級18,700円
- 建築CAD検定試験:実技のみ・年2回。3級11,500円(合格率68.3%)〜准1級15,500円(34.8%)。2026年度の一般受験は申込終了
- 諒設計のCAD講座:民間資格2つを在宅受験(各10,000円・合格基準70%・合格率非公表)。受講料120,000円/140,000円。公開試験の対策講座ではない
- 資格そのものが欲しいなら公開試験のほうが安い。ソフト操作を教材と添削で学びたいなら諒設計

