リカレントで教育訓練給付金は本当に80%戻る?実質負担を計算しました

リカレント

※本記事はアフィリエイト広告を利用しています

リカレントの案内には 「学費の最大80%(約39万円)が国から支給される」 と書かれています。学費が499,400円なので、これが本当なら自己負担は10万円台。印象が一変する数字です。

ただ、この文には 「最大」 という語が入っています。制度上、80%は 3つの条件を全部満たした人にだけ 適用されます。何も満たさなければ 50% です。

そして厄介なのは、50%と80%の分かれ目が「講座の選び方」ではなく「修了後の働き方」で決まることです。とくに 独立・フリーランスを目指す人は、80%に届かない可能性があります。

この記事では、厚生労働省のQ&Aを一次資料として、誰がいくら戻るのかを計算します。

この記事の結論(先に3つだけ)

  • 基本の給付率は50%です。80%になるのは「資格取得+雇用保険の被保険者として就職」で+20%、「賃金が5%以上上昇」で+10%を積み上げた場合だけです
  • 独立・フリーランスを選ぶと、+20%が付かない可能性があります。加算の条件が「雇用保険の被保険者となる就職」だからです
  • 学費499,400円の自己負担は、80%なら122,760円、50%なら264,000円。差は141,240円です

この記事の調べ方

  • 調査日:2026年8月29日
  • 調査対象①:厚生労働省「Q&A〜専門実践教育訓練給付金〜」(給付率・支給要件・教育訓練経費の定義・申請期限)
  • 調査対象②:リカレント公式サイトの講座ページ料金表と案内ページ
  • 金額は出典元の表記どおり。給付額と自己負担額は、編集部がその数字を使って計算しました
  • 個別の受給可否はハローワークの判断になります。この記事は制度の読み方を整理したものです
  • 執筆者:「デジタル資格ナビ」編集部


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「最大80%」の中身:3段階の積み上げです

厚生労働省のQ&Aに、給付率の仕組みが書かれています。一度に80%が決まるのではなく、3回に分けて積み上がる設計です。

段階 条件 給付率 年間上限
第1段階 講座を修了する 50% 40万円
第2段階 修了後1年以内に資格を取得し、雇用保険の被保険者となる就職をする 70% 56万円
第3段階 訓練修了後の賃金が受講開始前より 5%以上上昇 する 80% 64万円

※出典:厚生労働省「Q&A〜専門実践教育訓練給付金〜」。第3段階は令和6年10月1日以降に受講開始した場合が対象

基本(修了)50%+資格取得して就職70%+賃金が5%以上上昇80%
給付率は3段階の積み上げ。修了しただけでは50%で、80%に届くのは資格を取って雇用保険の被保険者として就職し、さらに賃金が5%以上上がった場合のみ。

第2段階・第3段階は、それぞれ 「70%(80%)で再計算し、既支給分との差額を支給」 という書き方になっています。つまり後から追加で振り込まれる形です。

ここから、重要な事実が2つ出てきます。

事実1:修了しただけでは50%です

第2段階の条件は「資格を取得し、雇用保険の被保険者となる就職をする」です。

  • 講座を修了したが 試験に落ちた → 50%
  • 資格は取ったが 就職していない → 50%
  • 資格を取って 独立・フリーランスで働き始めた → 雇用保険の被保険者ではないため、条件に当てはまらない可能性が高い

3つ目が問題です。リカレントの公式サイトに載っている卒業生の声には、「専業主婦から転身して独立」「IT企業の営業からキャリアチェンジして独立」 といったケースが複数あります。独立は珍しい進路ではありません。

編集部の見解:独立を目標にしている人が「80%戻るから」を理由に学費を判断するのは危険です。独立ルートでは50%が現実的な前提 と見て、自己負担264,000円で予算を組んでおくほうが安全です。ここは受講前にハローワークで確認できるので、必ず聞いてください。

事実2:第3段階は「賃金が5%以上上がる」ことが条件です

+10%の条件は、訓練修了後の賃金が受講開始前と比べて 5%以上上昇 することです。

キャリアコンサルタント資格は 名称独占資格 であり、この資格がないとできない業務はありません。取得すれば必ず給与が上がる、という性質の資格ではない。つまり 第3段階は「達成できたら加算される」ボーナス と考えたほうが実態に合います。

整理すると。
50%=ほぼ全員が対象(要件を満たして修了すれば)
70%=資格を取って、雇われる形で働き始めた人
80%=そのうえで賃金が5%以上上がった人

支給要件:そもそも対象になるか

給付率の前に、制度を使えるかどうかの要件があります。同じQ&Aから引用します。

立場 要件
在職中(被保険者) 支給要件期間が 3年以上。初めて教育訓練給付金を受給する場合は2年以上
離職者 離職日の翌日から受講開始日までが 1年以内。かつ支給要件期間が3年(初回は2年)以上
過去に受給した人 前回の支給日から今回の受講開始日の前日までに 3年以上経過 していること

ここで対象外になる人がいます。

  • 雇用保険に入っていない期間が長い人(専業主婦・自営業のみの経歴など)は、支給要件期間を満たさない可能性がある
  • 離職から1年を超えている人は、原則として使えない

リカレントの卒業生の声には「専業主婦から転身」というケースがありますが、専業主婦期間が長いと支給要件期間を満たせないことがあります(過去の被保険者期間の通算や、離職後1年以内という条件の判定が絡みます)。

これは記事で断定できる話ではありません。
支給要件期間の判定はハローワークが行います。受講を決める前に「支給要件照会」をしてください。
ハローワークで、自分が対象かどうかを事前に確認できる手続きです。

手続きには期限があります(申し込む前に読む)

給付金でいちばん多い失敗は、手続きの順番を間違えることです。Q&Aには次の記載があります。

受講開始前に訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、「ジョブ・カード」を作成することが必要
訓練受講開始日の原則2週間前までにハローワークへ提出し、受給資格確認手続を行う

つまり、受講開始の2週間前までに、キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作り、ハローワークに提出する必要があります。

順番 やること 期限
1 ハローワークで支給要件照会(対象か確認) 早いほどよい
2 訓練前キャリアコンサルティングを受ける 受講開始前
3 ジョブ・カードを作成する 受講開始前
4 ハローワークへ提出し受給資格確認 受講開始日の原則2週間前まで
5 受講開始
1ハローワークで支給要件照会対象か何%か確認早いほどよい2訓練前キャリアコンサルティング有資格者との面談受講開始前3ジョブ・カードを作成面談のなかで作る受講開始前4ハローワークへ提出・資格確認照会票・ジョブカード等を提出受講開始日の原則2週間前まで5受講開始受講開始「前」に終わらせる手続き
教育訓練給付金の手続きは、受講が始まる前にすべて終えておく必要がある。とくに④の提出期限が受講開始日の原則2週間前。逆算すると1ヶ月前には動き始めたい。出典:厚生労働省「Q&A〜専門実践教育訓練給付金〜」。

「開講日の直前に申し込んだら手続きが間に合わなかった」は起こり得ます。 リカレントは月ごとにクラスが開講しているため、間に合わなければ次のクラスに回す判断も必要です。

受給資格確認で出す書類

厚労省のQ&Aに名前が挙がっているのは次のものです。

書類 備考
教育訓練給付金支給要件照会票 事前に対象かどうかを照会するときに使う
ジョブ・カード 訓練前キャリアコンサルティングで作成する
教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票 受給資格確認の本体
本人・住居所の確認できる書類 マイナンバーカード、運転免許証、住民基本台帳カード等
委任状 代理人が手続きする場合

修了後の支給申請では、これとは別の書類(受講証明書や領収書など、スクールから受け取るもの)が必要になります。厚労省のQ&Aは支給申請の書類一覧をパンフレットに委ねているため、当記事では書類名を列挙しません。受給資格確認のときにハローワークで、修了後に何を出すのかも合わせて聞いておくのが確実です。

スクールから受け取る書類(受講証明書・領収書)は、紛失すると再発行に時間がかかります。修了時にまとめて保管しておいてください。

ちなみに、キャリアコンサルタントになるために、キャリアコンサルタントの面談(訓練前キャリアコンサルティング)を受ける ことになります。制度上の必須手続きですが、これから自分がやる仕事を受講前に体験できる機会でもあります。

支給は「後払い」です:まず全額を用意する必要があります

見落とされやすい点です。給付金は学費から差し引かれるのではなく、払ったあとに申請して受け取る仕組みです。

Q&Aには、申請のタイミングがこう書かれています。

受講開始日から6か月ごとに行う必要があります。この6か月(支給単位期間)の末日の翌日から起算して1か月が支給申請期間となります。
訓練修了後は修了日の翌日から起算して1か月が支給申請期間です。

リカレントの養成講座は 期間6ヶ月 なので、実務上は次の流れになります。

時点 お金の動き
申込時 学費499,400円を全額支払う(支払い完了で申込完了)
受講中〜修了後 6か月ごとの支給単位期間ごとに申請 → 50%相当が振り込まれる
資格取得+就職後(修了後1年以内) 70%で再計算した差額が振り込まれる
賃金5%以上上昇後 80%で再計算した差額が振り込まれる

手元から先に50万円が出ていきます。 給付金があるから安いと考えて資金計画を立てると、最初の支払いで詰まります。リカレントには教育ローンとクレジットカード分割の案内があるので、資金繰りが厳しい場合はそちらとセットで検討することになります。

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実質負担はいくらか:給付率ごとに計算しました

ここからが本題です。「教育訓練経費」に何が含まれるかで金額が変わるので、まずその定義を確認します。厚労省のQ&Aにこうあります。

教育訓練経費は 入学料と受講料の合計
(検定試験の受験料、受講に当たって必ずしも必要とされない補助教材費、教育訓練の補講費は含まれない)

リカレントの学費内訳と突き合わせます。

項目 養成講座(通学) 養成ライブ通信講座 教育訓練経費に入るか
受講料 437,800円 360,800円 入る
入会金 33,000円 22,000円 入る
教材費 28,600円 15,400円 定義上は原則対象外
学費合計 499,400円 398,200円
教育訓練経費 470,800円 382,800円

※金額はリカレント公式サイトの料金表(税込)

この教育訓練経費に給付率を掛けたものが支給額です。年間上限(50%=40万円/70%=56万円/80%=64万円)には、いずれも達しません。

養成講座(通学・学費499,400円)の場合

給付率 支給額 自己負担 該当する人
50% 235,400円 264,000円 修了したが、資格未取得/就職していない/独立した
70% 329,560円 169,840円 資格を取得し、雇用保険の被保険者として就職した
80% 376,640円 122,760円 さらに賃金が5%以上上昇した
国からの支給自己負担50%(修了のみ)235,400264,000499,400円70%(+資格取得就職)329,560169,840499,400円80%(+賃金5%上昇)376,640122,760499,400円
養成講座(学費499,400円)の給付率別の内訳。50%と80%で自己負担は141,240円変わる。厚生労働省Q&Aの定義(教育訓練経費=入学料+受講料)で編集部が算出。

養成ライブ通信講座(学費398,200円)の場合

給付率 支給額 自己負担
50% 191,400円 206,800円
70% 267,960円 130,240円
80% 306,240円 91,960円

※編集部が計算(学費合計 − 教育訓練経費×給付率)

通学講座で50%と80%を比べると、自己負担の差は141,240円 です。講座の選び方より、この差のほうが大きい。

公式の「約39万円が支給」はどの計算か

リカレントの案内ページには 「学費の最大80%(約39万円)が国から支給される」 と書かれています。この39万円が何を指すのか、逆算してみます。

計算方法 80%の支給額
学費総額 499,400円 × 80% 399,520円 ≒ 約39万円
教育訓練経費 470,800円 × 80%(教材費を除く) 376,640円

「約39万円」は、学費総額499,400円(教材費込み)の80%に対応します。

一方、厚労省Q&Aの定義(入学料+受講料)で計算すると376,640円になり、差は 22,880円(教材費28,600円の80%)です。

編集部の見解:この差は、教材費が指定講座の対象経費に含まれているかどうかで決まります。対象経費は講座ごとに厚労省へ登録された内容で決まるため、公式サイトの記載だけでは断定できません。当サイトでは 安全側(教材費を除いた376,640円) を基準に自己負担122,760円と計算しました。実際の支給額は指定講座の登録内容で変わるので、ハローワークまたはスクールで確認してください。

なお、リカレントには養成講座(学費499,400円)とライブ通信講座(学費398,200円)の2つがあり、当然ながら金額の小さいほうが自己負担も小さくなります。広告で見る「自己負担◯円〜」という表記の「〜」がどちらの講座を指すかは、必ず確認してください。安いほうの数字が代表値として示されているケースがあります。

給付金を含めた「資格取得までの総額」

料金記事で計算したとおり、資格取得には学費のほかに受験料38,800円と登録費用17,000円がかかります。受験料は教育訓練経費に含まれません(Q&Aに明記)。

給付率ごとに、最終的な持ち出しを出します。

50%の場合 70%の場合 80%の場合
学費の自己負担 264,000円 169,840円 122,760円
受験料(学科+実技) 38,800円 38,800円 38,800円
登録免許税+登録手数料 17,000円 17,000円 17,000円
合計(通学講座) 319,800円 225,640円 178,560円

※編集部が計算。一発合格した場合の金額

80%が適用されても、178,560円は自己負担として残ります。 「実質10万円台」という理解は学費部分だけの話で、資格取得までの実額はこの表になります。

自分がどれに当てはまるか:判断表

あなたの状況 想定される給付率 通学講座の自己負担(学費のみ)
在職中(雇用保険3年以上)で、資格取得後も同じ会社で働き続ける 70%(賃金5%上昇すれば80%) 169,840円〜122,760円
在職中で、資格取得後にキャリアコンサルタント職へ転職する 70〜80% 169,840円〜122,760円
資格取得後に 独立・フリーランス を目指す 50%の可能性が高い 264,000円
離職中(離職から1年以内・被保険者期間の要件を満たす) 50〜80% 264,000円〜122,760円
離職から1年を超えている 対象外の可能性 499,400円(全額)
雇用保険の加入歴がない/短い 対象外の可能性 499,400円(全額)

最後の2行に当てはまる人は、学費が2倍近く変わります。 講座を比較する前に、ハローワークで支給要件照会を済ませてください。それが決まらないと、そもそも予算が決まりません。

対象外だった場合は、受講料そのものが安い講座を選ぶという判断に変わります。厚労省が公表している22講座には198,000円のものもあります。横並びの一覧は 養成講習の比較記事 にまとめました。

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よくある質問

Q. 結局、いくら戻ってくるのですか?

厚労省Q&Aの定義(教育訓練経費=入学料+受講料)で計算すると、通学講座は 50%で235,400円、70%で329,560円、80%で376,640円 です。自己負担はそれぞれ264,000円/169,840円/122,760円になります。

Q. 独立するつもりですが、80%は無理ですか?

+20%の条件が「雇用保険の被保険者となる就職」なので、独立(個人事業主)では条件を満たさない可能性が高いです。ただし判定はハローワークが行います。独立と並行して雇用される形態も含めて、事前に相談してください。

Q. 試験に落ちたら給付金はどうなりますか?

講座を修了していれば50%は支給されます(給付の条件は「修了」であって「合格」ではありません)。+20%の条件に「資格取得」が含まれるため、不合格の場合は50%止まりになります。

Q. 手続きは受講開始のどのくらい前に始めればいいですか?

ハローワークへの提出期限が 受講開始日の原則2週間前 です。その前に訓練前キャリアコンサルティングとジョブ・カード作成が必要なので、逆算して1ヶ月前には動き始めるのが現実的です。

Q. 教材費28,600円も給付対象ですか?

厚労省Q&Aの定義では教育訓練経費は「入学料と受講料の合計」で、補助教材費は含まれないとされています。ただし対象経費は指定講座ごとの登録内容で決まるため、ハローワークかスクールで確認してください。当記事では安全側(対象外)で計算しています。

Q. 過去に給付金を使ったことがあります。また使えますか?

前回の支給日から今回の受講開始日の前日までに 3年以上経過 していることが必要です。

Q. リカレントの2講座はどちらも給付金の対象ですか?

公式サイトでは、キャリアコンサルタント養成講座・キャリアコンサルタント養成ライブ通信講座のいずれも教育訓練給付制度(専門実践)の指定講座と案内されています。ただし指定は年度ごとに更新されるため、申し込む時点で最新の指定状況を確認してください。

まとめ

  • 「最大80%」は3段階の積み上げ。 修了だけなら50%、資格取得+雇用保険被保険者としての就職で70%、賃金5%以上上昇で80%
  • 独立・フリーランスを目指す人は50%止まりの可能性が高い。 +20%の条件が「雇用保険の被保険者となる就職」だから
  • 通学講座の学費自己負担は 80%で122,760円、50%で264,000円。差は141,240円
  • 受験料38,800円と登録費用17,000円は給付対象外。80%でも資格取得までの実額は178,560円
  • 手続きは 受講開始日の原則2週間前まで。訓練前キャリアコンサルティングとジョブ・カード作成が先に必要
  • 支給は後払い。申込時に学費全額を用意する必要がある
  • 対象かどうかの判定はハローワーク。講座選びより先に「支給要件照会」をする

給付金を前提に学費を判断するなら、まず自分の給付率を確定させること。それが決まってから講座を比べるのが正しい順番です。リカレントの学費内訳と総額は 料金記事、他校との横並びは 比較記事 にあります。

\ 給付制度の適用条件は公式サイトでも案内されています /



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